七五三の雅楽

地元の神社はこの時期になると七五三の参拝で賑わいます。
そして、その中、11月の上旬の2つの日曜日だけ、神楽・お囃子連が烏帽子に装束姿で儀式の中で雅楽を演奏します。
先日初めてその演奏に参加しました。
篳篥が足りなくなり、急遽ピンチヒッターとしてです。
昨年は同じようなパターンで龍笛も吹きました。

この日は仏滅の翌日で晴天に恵まれたため、神社の境内は着飾った家族連れで溢れ返りました。
250組はいたそうです。
これを一人一人全て個別にやる訳には行かないので、10〜30人位のグループに区切っていきます。
一回の儀式は20分位かかるので、それでも結構な時間になります。
ピーク時は何と2時間待ち。
駐車場に車を駐めるのにも100分待ち。
どこのテーマパークですかという勢いです。

この20分の儀式の間に、越天楽の一部を三回吹きます。
それを少なくとも10回はやったと思います。
ということは3×10で30回は演奏したことになります。

篳篥という楽器は、吹く前にリードをお茶に浸して湿らせます。
そうすると、二枚に合わせられた葦の板が曲がり、両者の間に隙間ができます。
この隙間ないと音が出ません。
最初はこれを神経質に演奏して終わる度に繰り返すのですが、段々それすら単純作業化してきます。
もう後半は気が狂いそうで(笑)

この儀式には、初宮参り、すなわち生後1ヶ月を越えた赤ちゃんの参拝も一緒に混ざります。
そうすると、中にはぐずっちゃう子も出てきます。
そういう子は大抵はもう儀式が始まる前から泣いていて、音楽が始まるとむしろ泣き止んだりもする位なのですが、やはり一人だけいました。
音楽で泣き出しちゃう子が。
雅楽というのは最初に龍笛が一節吹いて、そこに他の楽器が後から加わります。
その一節を聴いて、今にも入ろうというタイミングでその子が泣き出しました。
その子のお母さん曰く、随分大きな音でしかも近くで篳篥の音が鳴り出したと思ったら我が子の泣き声だったそうです。