コンペティション@フェーレ

《コンペティションの結果》

先日二日間に渡ってCCE Japan主催のフェスティバル、フェーレが開催され、その目玉であったアイルランド音楽のコンペティションに出場し、お陰様でフルート部門、フルートスローエア部門、ホイッスル部門、ホイッスルスローエア部門、トリオ部門、ケーリーバンド部門で優勝しました。

アイルランド音楽のオフィシャルなコンペティションとしては国内初。上記の部門だけでなく、フィドルやボタンアコーディオン、コンサティーナ、バンジョー、イーリアン・パイプス、ハープなどの数々の楽器に加えて、デュオやトリオ、さらに大きな編成のもの、そして、歌やダンスまで、数多くの部門があります。

このコンペティションの優勝者のうち、まだ発表されていませんが、審査員のオシーン・マクディアルマダが推薦し後日クオリファイされた人は、8月にアイルランドで行われる最大のフェスティバル、オール・アイルランド・フラー・キョールのコンペティション本戦に出場することができます。

 

《コンペティションの経緯》

このオール・アイルランド・フラー・キョールのコンペティションは、これまで豊田が個人でテープオーディションによって出場していたものです。日本では予選に当たる地区大会を開くことができなかったため、そのような形になっていましたが、いつか日本でも支部のフラーをという話はアイルランドの本部の人達ともCCE Japanの人達ともしてきました。そして、今回晴れて日本からの予選を勝ち上がって出場することができるようになった訳です。

 

《コンペティションの賛否》

コンペティションは日本は勿論、本国アイルランドでも賛否両論あります。主だった批判的な意見は、例えば「音楽は人と競うものではない」とか、「コンペティションに勝ったからと言っていいミュージシャンとは限らない」といったようなものです。これはまぁどのようなコンクール、コンペティションでもそのような意見は当然あるでしょうし、一理あると思います。ただ、だからといって全否定するのもどうかなと思っています。

大事なのは捉え方。大事なのは結果ではなく過程。コンペティションに挑戦することは自分の成長を大きく促します。制限された条件の中で、そして、厳しい緊張の中で、どのようにして自分の集中力を保ち、最大限のパフォーマンスを発揮するか、これは自分との闘いであり、自分の演奏を見つめ直し、向上させるのに大きく役立ちます。そう捉えている限り、コンペティションはとても良い上達のチャンスになります。他のコンペティターは敵ではなく、寧ろ戦友という感じで、共に切磋琢磨した結果、かえって仲が良くなったりします。これもコンペティションの面白いところです。

 

《コンペティションの今後》

今回は初めての開催ということもあり、エントリー数は多くはなく、まだまだこれから広げていかなければなりませんが、小規模でも第1回を開催したというのは大きな一歩だと思います。アイルランドから審査員を呼んで適切な会場をおさえ、長い時間をかけて緻密に準備していくというのは並大抵の苦労ではないはずです。今回それをやり遂げて下さったCCE Japanのスタッフの皆さんが、全てボランティアでありながら素晴らしい働きをして下さったことは間違いありません。謹んで敬意を表したいと思います。これを続けていくことはさらに大変なことだと思いますが、是非続けて頂きたいと思います。個人的に強く応援致します。

そして、願わくばクオリファイされてオールアイルランドのフラー・キョールに、特にケーリーバンドで出場できたらと思っております。また、結果が出ましたらご報告致します。