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B♭フルート

新しいフルートが来ました。

B♭管です。

大きさわかりますでしょうか?

上が普通のサイズのD管のフルート。 

巨大です。

太いです。

重いです。

長いです。

Gilles Lehartというフランスはブルトン(ブルターニュ)の職人さんのフルートです。

かのMichael McGoldrickが使っているB♭フルートも同じメーカー。

リングが普通のフルートと違って銅製で非常にきれいです。

派手な音や大きなほえるような音はしませんが、深く、美しく、静かな迫力のある楽器です。

まだ楽器を慣らすために一日に吹ける時間が限られています。

段々慣らしながら時間を延ばしていかないと楽器に負担がかかるのです。

おまけに以前ケヴィン・クロフォードというフルート吹きに彼のB♭を吹かせてもらった時に、

「もしB♭を手に入れたら最初は一日5分だけ、次の日は10分だけという具合に徐々に吹く時間を増やさないと体を壊すぞ」

と警告されているのでなおさらです。

確かにかなり重くてしんどいのです。

 

次のライヴをお楽しみに。 

アコーディオン

更新なかなかできなくてすみません。

まずは先週火曜日、調布のアイリッシュ・パブ ケニーズでのライヴに来て下さった皆様、ありがとうございました。

ケニーズでのJizoのライヴも3回目でしたが、段々回数を重ねる毎に、お互いの読みが深くなり、ぶれが無くなって、しっかりかみ合うようになって参りました。

 

現在はライヴ中のMCでも軽く触れましたが、ボタン・アコーディオンの三浦陽一さんにゲストで参加して頂く企てを進めております。

フルートとフィドルという組み合わせはとても相性がいいのですが、低音域についてはややパワーに欠けるところがあります。

アコーディオンという楽器はその低音域が圧倒的に強く、またダイナミックレンジがはるかに大きな楽器で、この楽器が入ると、例えば今までは音域が低くて敬遠していたような曲も選択しに入ってきまし、奏法的にも随分幅が広がります。

 

自分は元々このアコーディオンという楽器が、音が大き過ぎたりリズムが鈍かったりして、あまり好きではなかったのですが、一昨年アイルランドに行った際、アコーディオンの神様マーティン・オコナーMartin O'Connorのライヴを聴いてそのイメージが覆りました。

彼の演奏を何とか言葉で表現すると、、、まず、基本的にずっと大きな音を出すということをしません。

基本の音量レベルがずっと小さく抑えられていて、音が柔らかく美しく、ここぞというところだけをアクセントとして一瞬大きくする、そのために非常にキレのあるビートが生まれる、そんな演奏です。

この柔らかく美しく小さな音のコントロールというのがどれだけ速いパッセージを弾いても失われることがありません。

それはもう違う楽器を弾いているんじゃないかと思わされるほどです。

地元の名の知れたフルート吹きが、「マーティンはアコーディオンとコンサティーナ(もっと音が小さくて柔らかい蛇腹系の楽器)を掛け合わせた別の楽器を使っているに違いない。でなけりゃあんな柔らかい音は出ない」と言っていた位です。実際の所、普通のアコーディオン一つしか使っていなかったのですが。

また、普通のアコーディオンプレイヤーがよく使う左手のベース的な伴奏もあまり使いません。

これにはアイリッシュ系のボタンアコーディオンのボタンの配列が絡んでいるそうで、二種類あるその配列によってつけやすかったり、逆にほとんど不可能だったりするそうです。

この左手の伴奏というのが結構主張が強くて、音が大きく、他の伴奏とぶつかることも多いので、個人的にはあまり好きではないのですが、マーティン・オコナーのプレイは、左手をあまり多用せず、右手の旋律だけできっちり音楽を立たせてしまう魅力を持っています。

彼のライヴを自分はコロフィンという村のフェスティバルで聴いたのですが、聴衆の多くが非常にレベルの高いアマチュアのミュージシャンであったにも関わらず、ライヴが始まると会場は明らかに普通のライヴとは異なる低い声のどよめきであふれかえりました。

そして、一曲終わる毎に各々が小声でぼそっと「ジーザス…」とか「スケアスリー」とつぶやくのです。

まるで、自分達が普段やっている音楽とは明らかに異質で、レベルがかけ離れていて、理解できないというような感じでした。

あるいは、むしろ普段あれだけ音楽をやっている彼らだからこそ、その質の違いに敏感に気付いたのかもしれません。

実際、彼らの音楽(そのライヴでは、共演者としてフィドルのカハル・ヘイデン、ギターのシェイマス・オダウドがいました)は、アイリッシュという枠には全く収まっておらず、クラシック的なフレージング観や構成力等、他ジャンルを丸飲みにし、決して表には出しませんが、聴衆を惹きつけるために、選曲から曲の並べ方、つなぎ方、変奏、アレンジに至るまで、至る所に緻密な計算がなされているということが感じられる音楽でした。

このライヴの経験が今の自分のスタンスにつながっていることは言うまでもありません。

機会があればマーティン・オコナーの音楽をぜひ一度聴いてみて下さい。

 

さて、話は戻りますが、このマーティン・オコナーのようなスタイルのアコーディオンプレイヤーは他にも何人かいるのですが、 これがスタイルとして確立しているということに自分は後から気付きました。

そして、自分の知る限り、首都圏で活動している方で、このスタイルをはっきり志している唯一のプレイヤーが三浦さんだったのです。

一年以上前、セッションで三浦さんの音を初めて聴いた時、荒削りだけれど何か他の人とは違った光るものがある、いつか一緒にやってみたいなと漠然と思っていたのですが、その理由の一つは、このようなプレイスタイルの部分に根っこがあったのでした。

 

さて、まだお披露目もする前に早々と三浦さんの宣伝をしてしまいました。

まだまだ一緒に演奏できるレパートリーも少なく、お互い忙しくて練習時間も取れないため、かみ合っていくようになるには時間がかかるとは思いますが、これから面白くなっていくと思います。

ご期待下さい。 

ケースの中身

ばたばたしていてなかなか続きが書けませんでした。

楽器編、いよいよケースの中身です。

 

 

ケースを開けるとさらにケースが!

そしてそれを開けるとさらにケースが…という訳ではありません。

二重になってます。

 

このケース、本来はクラシックフルート用のケースですが、たまたまOlwellのフルートケースがほとんど同じタイプのケースだったのでそのまま入りました。

外はファイバー製で、防水という優れもの。

しかし、このケースの素晴らしいところはこの中のケースの下。

 

なんとホイッスルが2本収まるのです!

D管とC管が一本ずつ入るので、セッションなど特に特殊なローホイッスルが必要ない場合は、はこのケースだけでOK。

重宝しております。

 

さて、中のケースのさらに中については、また別のお話。

Guiness on the flute case.

さて、楽器ケースの続き。

まだ中には参りません。

ケースの裏側です。

こんなシールが貼られています。

 

どうですか?

見えてきましたか?

グラスに入ったギネスに。

 

これパブでたまたま見つけて、もらってきた、ギネスのハロウィン関連のシール。

白い泡の部分までがシールで、その下はケースの地なのですが、たまたま不気味な位大きさが一緒で、貼ってからというもの下の部分がギネスにしか見えません。

神様の筆跡

 

アイリッシュ・フルートの神様、マット・モロイのサイン。

 

BEST WISHES

Kozo

"KEEP BLOWING TIMBER"

Matt Molloy

  

3行目は「笛を吹き続けなさい」という意味。

 

握手した時の彼の手は厚く柔らかく、

間近で見る彼の存在感は圧倒的でした。

 

 これはフルートケースですが、中身についてはまた後日。

ティン・ホイッスル D管

 

楽器編です。 

D管のティン・ホイッスル。

メーカーはアメリカのMichael  Burke

その中のD Brass Sessionという品番。

一番長く使っている楽器です。

過酷な環境で酷使しすぎて、高音域から超高音域のピッチ(音程)の幅が広がってしまい、下の音域に比べてピッチが上がり過ぎてしまうという状態になってしまいました。

 写真はたまたま一緒に並べる機会があった新品と並べての一枚。

この画像ではわかりにくいかもしれませんが、ブラス製のため酸化が激しく、

すぐに色がくすんできます。

左が新品、右が約3年間使ってきたもの。

ビフォア・アフターという感じ。

研磨剤で磨けば光るのですが、くすんだ感じも好きで、そのままにしてあります。

 

ティン・ホイッスルプレイヤーは、ホイッスルをコレクターのように集めて、状況によって使い分けてということがよくあるようですが、自分はD管はこれ一本。

それくらい絶大な信頼を置いています。

ピッチに関しても、 音色に関しても、吹きやすさに関しても、今のところ自分にとってこれがベスト。

 

バークには他にもラインナップがあります。 

材質は、ブラス、アルミ、樹脂の三種類。

太さは、澄んだ音色の太いもの、ハスキーな音色の細いものの二種類。

自分はブラスの太い方を使っています。

 

キーについても半音刻みでつくっていて、自分はローG以上はバークを使っています。

 他のキーについてはまた別の機会に。

 

 今この笛は$170。送料が$25。

1ペニーで買えることからペニー・ホイッスルという別名もあるティン・ホイッスルとしては法外な値段に思えるかもしれませんが、楽器としては決して高くはないと思います。

楽器屋でよく見かける千円ちょっとのホイッスルに比べて、はるかに簡単にコントロールできます。

トップ・プロの多くがこの笛を使っていますが、むしろ初心者の方にこそ使って欲しい楽器。

自分の音を好きになれる楽器、プレイヤーの要求を細かく汲んでくれ上達を助けてくれる楽器です。

 

BurkeのHPで直接オーダーすると早ければなんと一週間で届きますが、英語での処理がちょっとという

 方はこちら。

 クラシックギター専門店 ギタルラ社

 アーリー・ミュージック・プロジェクト

 特にギタルラは目白にある店舗で試奏することもできます。

 

いつの間にかメーカーの回し者のようになってしまいましたが、それくらいお勧めの一本です。 

バウロン

 楽器編、バウロンBodhranです。

笛吹きなのに…。 


ドイツのメーカーでChristian Hedwitschakという人がつくっています。

これは数あるラインナップの中で、同じくドイツのバウロンプレイヤー、Rolf Wagelsのために特別につくられた The Rolf Wagels Editionというシグネチャーモデル。

これが、確かにChristian Hedwitschakがつくっているのですが、皮はこれまでずっとトップメーカーで今は病気でつくるのをやめてしまったアイルランドのメーカーSeamus
O'Kane
と同じ皮を同じ方法で張り、Metloefというこれまた売れ筋のアメリカのメーカーが持つ、道具無しでチューニングできるチューニングシステムを使い、Christian Hedwitschakが自分のボディに組み込んでいくという、ちょっと反則技みたいな代物。

 

現在世界最高のバウロンプレイヤーと言われているジョン・ジョー・ケリーも最近これをつかっているらしく(確かに来日時の彼のバウロンは赤でした)、現在生産されているものとしては世界最高クラスのもの。

 とは言ってもこのバウロンという楽器は、楽器としては非常に安く、このバウロンは€390!

ユーロが最近アホみたいに高いとは言え、この値段ならばという感じ。

 

そして、何より嬉しいのは待ち時間。 

アイリッシュの楽器は値段がそこそこでも1年も2年も待つものが多く、Christian Hedwitschakにしてもオーダーメイドで、今オーダーするとできあがるのは秋か冬。

ところが、このシグネチャーモデル、 Christian Hedwitschak本人からは直接は買えず、Rolf Wagelsから買わなければならないのだが、そのRolfが在庫を持っており、オーダーすると日本でも1週間で届いてしまいます。

 

この楽器を手に入れたのは割と最近で、人前でバウロンを叩く仕事をしなければならなくなり、本腰を入れて練習するに当たって、家にあった安物(6千円位)はあまりにも音が悪すぎてフラストレーションが溜まるため、急遽オーダーしました。

 その到着の早さにも驚きましたが、最初に箱を開けて見た時の楽器の美しさ!

ほれぼれでした。

写真は開封直後の写真。

周りに色々写ってますがまぁ気にしないで下さい。

 いい買い物だったと今でも思い続けられる一品です。

三兄弟

E管届きました。

D、E♭、E  三兄弟そろい踏み。

懸念されたピッチですが、

 

 

…確かにちょっと低いかも。

他の楽器と合うか心配。 

Kerry Pro Low-D, Eflat, E

 



楽器シリーズ第二弾はローホイッスル〈D(,E flat, E)〉です。

 

自分が今メインで使っているのはフルートですが、

その前ずっとメインで使っていて、今でも頻度が高いのが ローホイッスル。

 

自分は“ホイッスルマニア”ではないので、ホイッスル自体を集めたり、

同じキーのホイッスルを何本も揃えてということはしません。

一本気に入ったのがあればそれだけをずっと使います。

セッションに持って行くのも一つのキーを一本だけ。 

ただ、レコーディングや歌ものの仕事などでどうしても様々なキーが必要になり、

そういう意味では本数が嵩んでいることは確かです。

家には滅多に使われることのない特殊なキーのホイッスルがいくつかあります。

まぁこれは一度揃ってしまえばその先ずっと使えますので。

 

今メインで使っているローD管は、Kerry Proと呼ばれるもの。

Phil Hardyという英国の職人さんがつくっているのですが、

Kerrywhistlesというメーカー名で、多分Chieftainという名前のシリーズの方が有名です。

 Kerry Proは、Chieftainの上位モデルで、工場で大量生産されているChieftainとは違って、

一本一本ハンドメイドだとか。

このPhil Hardyという人は、元々Overtonというローホイッスルを初めてつくった老舗メーカーにいたらしいのですが、仲違いして独立という曰く付きの人。

Kerry Proはよく見なくても、「大丈夫かな」と思わされるほど、Overtonのホイッスルと形が似ています。

しかし、音は大分違います。

Overton
ファンの方というのは今もかなりいらっしゃって、音程や音量を多少犠牲にしてもあの音質を選ばれるようで、そういった方々からするとKerry
Proはまがい物ということになってしまうのですが、自分はそういう事情を抜きに、Kerry Pro自体の音質や音程、音量を好んで使っています。

特に音程や音量は秀逸で、ライヴやレコーディングなど、外すことが許されないような状況で頻繁に吹く時にはOvertonよりKerry  Proが使いやすく、また、素直な音質も結構気に入っていて、バランスが取れたモデルだと思っています。

 

ローD管は、 頻度が高いため、比較的あれこれ試した方で、これまでMichael BurkeやOvertonを使ったりしましたが、今はKerry Pro一本です。

息の量はBurke等と比べると、はるかに多量の息が必要ですが、その分吹き込みに強く、表現の幅も広いと思います。

かのマイケル・マクゴールドリックMichael McGoldrickが使っていることでも有名で、それも選択の後押しになりました。

 

このKerry Pro、実はボディを変えることでE flatにしたりEにすることができます。

E flatは、例の知る人ぞ知る笛紛失しかけ事件の際、多くの方々のご援助を得て緊急にオーダーした際に、Philに相談してボディをつくってもらいました。

そして、実は、今度の秋の中原中也の朗読劇で、ローE管が必要になることがわかり、つい先日、急遽ボディだけをオーダーしました。 

 ボディとヘッドがちゃんとつながるのか心配だったのでPhil本人に問い合わせたところ、

「多分大丈夫だが、チューニングが正確ではないかもしれないので、チューナーでチェックしてくれ」

と言われました。

 

……。 

 

理屈では正確でないことはわかってはいたのですが、チューナーでチェックしてくれって、実際にボディが送られてきてから、はい音程が悪かったですじゃ困るわけで…。

どうなるのか非常に不安な一件であります。

 

あともう一つ言わせて下さい。

ポンド高すぎ!

フルートのオーダー

先月下旬、新しいフルートをオーダーしました。

オーストラリアのフルート職人、マイケル・グリンターMichael Grinterに。

 


のキー無しのD管のフルートは、アメリカのパトリック・オルウェルPatrick
Olwellによってつくられたもので(こちらについてはまた別の機会に書こうと思います)、非常によく鳴り、アイリッシュ・フルートらしい音がするので
すが、マックスの音量が大き過ぎて、小さな音をコントロールするのが難しいのです。

セッションでは重宝するのですが、PAを通したライヴの場合には、 もう少し音が小さくて、小さい音も大きい音もまんべんなくコントロールできる楽器が欲しいなと常々思っていました。

特に最近は、ダイナミックコントロールによってフレージングの幅を広げたいという欲求が自分の中で高まりつつあるのでなおさらのことでした。

 

そこで今回選んだのがGrinterのフルート。

彼の笛はダイナミックコントロールがしやすく、マイケル・マクゴールドリック、ケヴィン・クロフォード、アラン・ドハティといった、PAを多用する若手のプレイヤーに大変人気があります。

また、今回は悲願であったキー付きをオーダーしました。

キーの数は6。

前述のOlwellだとキー付きは5年も待たされるところを、 Grinterは1年半待ち。

これも彼のフルートを選んだ理由の一つでした。

 

しかも、今回は同時にキー無しのB♭をオーダー。

こちらは1年待ち。

実は彼と色々相談し、 2~3年以内にキー付きのD管、キー付きのE♭管、キー無しのC管、キー無しのB♭管の4本を一通りつくりたいということを既に彼には伝えてあります。

もしかしたら、B♭の代わりにCを先につくってくれということになるかもしれません。

レコーディング等でC管の需要が圧倒的に高いからです。

 B♭管は、元々音が好きでいつかはと思っていたのですが、特にケヴィン・クロフォードのを吹かせてもらった時に、その渋い音に惚れ込みました。

しかも意外と指も息も大丈夫だったので。 

 

さてさて、もうご想像の通りかなりの額になります。

既に貯蓄が始まっていますが、彼が楽器をつくるのと、自分がお金を貯めるのがどちらが早いかというスリル満点の勝負です。

 

とこういうことを書いていると本当楽器に関しては病的だなとつくづく思います。

他のプレイヤーのブログなんかを見ていても、楽器についての記事を読むのが圧倒的に好きなのです。 

なので、これからちょくちょく今使っている楽器について書いていこうと思います。