アイリッシュの笛を教えること(後編)

昨日は目黒でO'Jizo、今日は渋谷でPaddy Fieldでした。

ここ2~3日、研究室のフルート科の後輩に息と体の使い方のイメージでとてもいいヒントをもらってびっくりするくらい楽器がよく鳴るようになってきたのですが、かなりエネルギーを使うらしく、3時間ライヴになると最後まで持たせるだけでも相当きついようです。

ですが、これができると本当に演奏が変わって聞こえるようです。

音と音の間のすき間が短くなっていって、フレージングがしっかりつながってくるのです。

聴いているお客さんや共演者を見ていても明らかに反応が違ってくるので、

演奏していてかなり手応えを感じます。

この先どこまで変わっていけるか楽しみで仕方がありません。

さて、お待たせしました、後編です。

最近カルチャースクールのあるクラスに高校生の女の子が入ってきたのですが、

いつもの如く何でホイッスルを始めようと思ったのか問うと面白い経緯を聞かせてくれました。

半年前位に、Akeboshiさんというアイリッシュテイストの曲を歌うメジャーのシンガーソングライターのライヴがあって、その前座として、ギ
ターの長尾晃司、フィドル&アコーディオンのJim
Edigerの3人でアイリッシュを30分程演奏したのですが、彼女はそのライヴに来ていて、そこで初めてアイリッシュの伝統音楽に触れたのだそうです。

元々彼女の家は一家みんなでAkeboshiさんのファンだそうで、
その日も一家でライヴを聴きに来ていたそうなのですが、
彼女は伝統音楽の方にいたく感動してしまって、
その後の本編のライヴを見ないで帰ってもいいとさえ思う位の衝撃を受けたのだそうです。

その後彼女はネットで検索してティン・ホイッスルという楽器を知り、豊田のHPにたどり着く訳ですが、そこからが涙ぐましいのです。

母親にこの楽器を習いたいと相談したところ、自分でバイトしてお金を貯めて習いなさいと言われて、彼女はこの半年間一生懸命バイトしてお金を貯め、ついにカルチャースクールのレッスンを受けるに至ったのです。

いい楽器を買うのに二万円位かかるけど大丈夫かと問うと、一生懸命貯めたので多分足りますとの返事。

これらの話を聞いたのはレッスンの後だったのですが、彼女はこの日のレッスンでいきなりポルカを2曲も覚え周囲を唖然とさせていました。

個人レッスン、カルチャースクール問わず、初めて楽器を手にする最初のレッスンで2曲のダンスチューンを覚えていったのは彼女が初めて。

恐らく彼女はこの先信じがたいスピードで上達していくことでしょう。

好きこそものの上手なれとは言われますが、
こんな生徒さんを見るとがんばって笛を教えようという気が沸々と湧き起こってきます。