3週間に及ぶツアーを終えて、アイルランドの国宝級バンドThe Chieftainsが帰って行った。
中でもMatt Molloyはフルートの神様として知られ、アイリッシュ音楽のフルート吹きにとっては特別な存在。
Mattに会うのは今回が3回目。
ちょっとたくさんのことがあり過ぎたので時系列で箇条書き。
11/21
・レセプションで久々の再会。O’Jizoの「Via Portland」とToyota Ceili Band「Gathering Cloud」を渡し、3月に出す予定のソロアルバムの音源を来週持ってくるからコメントが欲しいと頼むと快諾される。
11/29
・The ChieftainsのワークショップコンサートでMattのアシスタントを担当。Mattはこの時までに渡していたCDを聴いててくれて2つのCDを絶賛。ソロアルバムの音源も渡す。ワークショップは滅多に聴けない生音でゆっくり弾くMattの音が聴け、オーラ満点のステージ上での顔とは違ったお茶目な一面も見られ、満足度の高いワークショップだった。
12/3
・自分は横須賀公演には仕事で間に合わなかったのだが、終了後のセッションだけでもとプランクトンの是松さんのご厚意で誘ってもらい参加。Mattのすぐ隣でセッション。Mattが次々曲を出してきて、それに答えて吹いていたら一騎打ちのような様子になっていた。熱い時間だった。
・夜の打ち上げにもお招き頂き、MattとエンジニアのJeffやLarryと4人の席に。日本酒の熱燗をお酌し合うまさかの展開に。地元の神社の寄り合いで一緒に飲むじいちゃん達と変わらないなぁと感じる。
・飲み会では色々な話を聞く。Mattは屈強な肉体の持ち主かと思いきや、結構病気をしていて、最近も癌で喉のところを手術したり、アメリカツアーで感染症で大変な目に遭ったりして、その度に一ヶ月位笛が吹けなかったりと、決して順風満帆ではないらしい。若い頃結核で片肺を摘出した話は有名だが、その時は2年間も笛が吹けなかったらしい。一日に24錠も薬を飲んだと言っていた。今元気に吹けているのが奇跡と言っていい。日本でも時間があればスイミングに行ったり走ったりしていて、何も知らずにストイックな人だと思っていたが、実際にはそうやって色んな苦難をエクササイズもして乗り越えてきたのだということがわかった。
・また、Mattは、若い頃は酒、たばこ、マ○フ○ナと体に悪いことも一通りやったと言っていた。いかにもあの時代のスターという感じだが、これもMattだけはそういうことをやっていなさそうなイメージを勝手に持っている自分に気付き、等身大の彼を見た気がした。
・Mattと自分の父親が似ているとあちこちで話題になっていて、特に髭と頭髪の感じが同じなのだが、写真を並べてあげてみたら鼻の形も笑い方も似ていて、その写真をMatt本人に見せたら大喜びしていた。将来自分も彼らの仲間入りをするのだろうか。
・この飲みの席でMattからすみだトリフォニーのコンサートのステージで一緒に吹かないかとお誘いを受ける。
12/6
・The ChieftainsがOffの日の夜の飲み会に参加。妻の麻里をMattに紹介すると、「Westportに来い。全部面倒見てやるから」と言われ、4月に再婚したばかりで若い奥さんの写真を見せてくれたり、趣味のヨットを見せてくれたり、完全に親戚のおじちゃんだった。自分の父親の5歳上なので、「My uncle, Matt」とか言ってたらこれまた本人大喜びだった。
・来年はなんと彼もソロアルバムを出すとのこと。この歳でまだソロアルバムを出すのか!どこまで攻めるんだ、この人は!
12/9
・すみだトリフォニーの公演でのフィナーレで何の曲を一緒に弾くのか決まったのは本番直前だった。彼の楽屋で簡単に曲だけ決めて、あとはお互いのフルートを吹いたり、フルートのメーカーの話をしたり。
・Mattがキー付きのPatrick Olwellのフルートを、本当に粗末なソフトケースに入れて持ち歩いているのをワークショップや横須賀公演で見ていたので、自分のデザインしたロールケースをプレゼント。たいそう気に入ってくれた。これであのケースを使っているのはNiall Keegan、Louise Mulcahy、Matt Molloyの3人。
・Mattとの共演は夢のような時間であっという間だったが、満席のお客さんを前にMattはステージ上でもちょくちょく話しかけてきたり、ウィンクしたりしてきた。あの光景は一生忘れられないだろう。
・打ち上げでもMattやJeff、Larry、それにKevin Connefともよく話しをした。どうもおじいちゃん達とが一番話しやすいらしい。
・まぁとにかく今回びっくりする程Mattと仲良くなった。今回の来日前にはおよそ想像もできなかった展開だ。
・この人達はまた来られるのか。本人達は勿論来たいと言っているが、リーダーのPaddy MoloneyもMattも見る度に体が小さくなっている気がするし、Paddyの今回の疲れ方を見ると今回が最後なのかもしれないと何度も思わされ、その度に胸が締め付けられた。
・また来て欲しい。元気な姿で。その前にアイルランドに会いに行かなきゃな。
・今回この素晴らしいチャンスをつくってくれたプランクトンの皆さん、とりわけ是松さんにひたすら感謝。
今後のライヴ予定
12/18(月)18:30~「アイリッシュハープのしらべ」@内幸町ホール
w/梅田千晶(ハープ) 近藤薫・高山聖子・藤本睦美(ハープ)、清藤秀人(映画コメンテーター)
12/19(火)20:00~アイリッシュ・ミュージック・セッション@Almanac House(市川)
w/ 武田 良平(Bouzouki & Vocal)
12/20(水)20:00~Paddy Fieldライヴ@渋谷ダブリナーズ
12/21(木)19:00~Irish Music Live@新宿ダブリナーズ
w/ Sonora 小松優衣子(コンサティーナ)中村大史(ギター)長浜武明(バウロン)
12/22(金)20:00~Paddy Fieldライヴ@Irish Pub Clann(自由が丘)
1/8(月・祝)Toyota Ceili Band 定例ケーリー
2018年1/12(金)~14(日)
The Festival of Irish Set Dancing in Matsumoto 2018
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01kzgmz40v38.html
1/20(土)Session Labo@The Old Rock
1/20(土)アイリッシュ音楽セッション@The Old Rock