3/15(日)の配信をご覧頂き、ご支援下さった皆様、ありがとうございました!
新しい試みでしたが、たくさんの方々とリアルタイムの双方向の交流があり、カメラの前で演奏しているだけとは思えない位の一体感がある不思議な体験でした。
また、日本のアイリッシュセットダンスのダンサーさんとミュージシャンの関係という視点から見ると実は結構大きな出来事だったのではないかと個人的に考えています。
日本におけるアイリッシュセットダンスの歴史をざっくり振り返ってみると、最初にCCE Japanの方々がダンスを日本で広める活動を始められてから15年以上はダンサーさん主導でケーリーが開催され、ミュージシャンは頼まれてダンスの伴奏を時々するという形でした。
2011年にToyota Ceili Bandを立ち上げてから、ミュージシャンが定期的にケーリーを主催して、ダンサーさんがそこにゲストとして来るというアイルランドで行われる本来の形が日本で初めて生まれました。
ただ、そこから9年、その後の道のりは順風満帆という訳には行きませんでした。
ケーリーを定期的に開催し続けること自体簡単ではありませんでしたし、踊りやすいリズムをつくることも簡単ではありませんでした。
集客に失敗して落ち込むことも一度や二度ではないですし、ダンサーさんの絶対数を増やそうとベテランのダンサーさんと共同でワークショップイベントを開催しても新規参加者がなかなか定着しないことも大きな悩みでした。
しかし、それでも諦めずに地道に活動を続け、やり方を模索し、改善を重ねていった結果、ダンサーさんの数も少しずつ増え、特にダンスに夢中になる若者が増えてきました。
勿論、これはToyota Ceili Bandだけでなく、CCE Japanを始めたくさんの方々が努力し続けたことによる相乗効果で起こったことです。
今ではケーリーバンドがいくつも生まれていますが、それらはほんの最近のこと。
ここ1〜2年の急激な変化と言ってもいい位です。
そして、今回ダンサーの城拓君の発案で興ったこの企画は、ダンサーさん側からミュージシャンをサポートしたいという熱い想いから生まれました。
ちょうどプロサッカーチームのサポーターズクラブとかそういうものに近いイメージでしょうか、一緒に文化をつくっていく一つのチームでありたいというメッセージを今までより強い形でダンサーさん側から頂きました。
日本のアイリッシュセットダンスのシーンはダンサーさん側からの大きなリアクションを受けて第3のフェーズを迎えた、自分はそう考えています。
この日の夜はアイリッシュ・パブ ホブゴブリンでToyota Ceili Bandによるケーリーが行われました。
本来であればセントパトリックデー関連でイベントだらけだったはずの3月。
パレードもフェスティバルも中止となり、せめてこれだけはというたくさんの熱いリクエストを受けて決行しました。
たくさんのダンサーさん達が楽しそうに踊るのを見て、自分達はこのダンサーさん達に育ててもらってきたんだなぁとしみじみ感じながら伴奏しました。
これから先、また想像を超えてどんな絵が見られるのでしょうか。
本当に楽しみです。
ケーリーにお越し頂いた皆様にも重ねて御礼申し上げます。