きゃりーぱみゅぱみゅさんの日比谷野音100周年のワンマンライブにケルト音楽隊として出演させて頂きました。
目次
オープニング、インターミッション、フィナーレと3箇所の出演
オープニングはトラッド数曲から始まり、メドレーでつなげてご本人のケルト風の曲『良すた』をさらにアイリッシュアレンジで演奏(Aメロ分しか無かったのでBメロをでっちあげましたw)。
それに合わせてご本人とダンサーさん達が登場。
曲が終わる瞬間に衣装のベールが上げられて、すぐにオリジナルの『良すた』から本編がスタートというご本人考案の凝った演出。
インターミッションではきゃりーさん早着替え中に彼女の曲数曲をアイリッシュ風アレンジで演奏。
それに合わせてダンサーさん達が、なんとわずか数日でつくられた振り付けで踊ってくださいました。
そして、フィナーレは『ちゃんちゃかちゃんちゃん 』という曲をメンバー紹介されながら演奏しました。
圧倒的フィジカル
今回リハの段階から恐れ慄くことになったのは、ご本人とダンサーさんの無尽蔵の体力!
とにかく動きの数が多いキレッキレのダンスを、ほとんど全ての曲でずっと!
想像もしたくない運動量でした。
ご本人もダンサーさんと遜色ないキレッキレのダンスで、音源だけ聴いている時には全くわからなかったのですが、ほとんどダンスショーに歌付きという感じで、やっていることはほとんど和製女性版マイケル・ジャクソンw
3〜4曲は間髪入れずに連続して歌い、トータルで22セットというとんでもない曲数にも驚きました。
完全にフィジカルモンスター。
つくりこまれる世界観
きゃりーさんの思い描く世界観を音楽隊としてつくっていくのはとても新鮮でしたし、打ち合わせの段階でもご本人が次々とアイディアを出していくのもかなりの熱量を感じました。
メディアにはエルフと書かれてましたが、人生初の特殊メイクで耳が大きくなった(共演者は鼻の人も)辺りはちょっとゴブリンっぽくもありました。
SNSでたまたま見つけたのですが、きゃりーぱみゅぱみゅというアーティストを評価する声の中には、「単にカワイイだけではなく、その中に不気味さ、怖さ、グロテスクさ、気持ち悪さみたいなものを練り込んでくる」という話があって、それで色んなものに妙に納得が行きました。
エルフもゴブリン寄りでしたし、ダンサーさん達がかぶる羊のマスクもすごく可愛らしいのによく見ると目が怖く見える瞬間があったり。
お客さんもかなり老若男女バラエティに富んでいて、一体どうなっているんだろうとは思っていたのですが、この話を知ってこれも納得しました。
ただ単にカワイイカワイイだけの世界観って気恥ずかしさを感じてとっつきにくい人も少なくないと思いますし、特に男性はその傾向が強いのではないかと思うのですが、そこに「不気味さ、怖さ、グロテスクさ、気持ち悪さみたいなもの」が入ってくると、気恥ずかしさが消えて俄然入りやすくなるし、怖いもの見たさで気になるし、つかまれる感じがあるのではないかと。
少なくとも自分はその「不気味さ、怖さ、グロテスクさ、気持ち悪さ」はかなり好きですね。
サーカスのピエロとかにもそういう要素があるかと思うのですが。
こういった世界観をつくりあげるために演奏隊もダンサーさん達も顔があまり見えない、非人間的なメイクになっていて、そのつくりこみのために特殊メイク、ヘア、衣装だけでかなりの数(20人位?)のスタッフさんがいました。
ステージの大道具、小道具や照明などもまぁ素晴らしくて、特に夕方から夜にかけて暗くなっていくのに合わせて設計されたライティングは本当に幻想的でした。
兎にも角にもたった一日の、一回限りの公演のために、これだけの人が、これだけの熱量と一体感を持って動いているというのはなかなか経験が無いレベルで、そこに一部分とは言え、その世界を創る一端を担えたのは、本当に幸せ経験でした。
(実際、かなり直前に話が来て、死にそうなペースでアレンジをしましたが、報われましたw)
きゃりーぱみゅぱみゅさん、ダンサーの皆さん、スタッフの皆さん、共演者の皆さん、そして何より暑い中お越し頂いた皆さん、ありがとうございました!