ちょっと時間が経ってしまいましたが、日本におけるアイルランド伝統音楽とダンスの祭典、Feileで濃い週末でした。
目次
アコーディオンの話
まずは、金曜の夜のWelcomeセッションから。日本でも人気のケーリーバンド、Rise the Dustのアコーディオン奏者Brendan Doyleさんと、その奥さんでシャン・ノース・ダンサーにしてバウロン奏者のSharleen Mccaffreyさんをお迎えしてのセッションはとても刺激的で、特にBrendanさんの右隣でアコーディオンを弾く幸運に預かれたので、ほぼ左隣をガン見しながら、生でしか拾えない情報を拾いまくってました。メインの楽器であるフルートから10年以上遅れてスタートしたボタン・アコーディオンは、フルートと違って特にレッスンを受けたこともなく、まだまだ2nd楽器という位置付けでフルートには及ばないので、翌土曜朝のワークショップも含めてこういう機会は本当に貴重。
そして、ここ2ヶ月頭をもたげていたのが、日曜朝のセットダンシングコンペティションの伴奏。なんとこれもダンサーさんからのご指名でアコーディオンで。セットダンスの伴奏はとにかくテンポが速いので、特にReelは弾き切れるか、大破しないか本当に心配でしたが、ダンサーの補欠要員でもあった若手フィドラー、ソウセキも手伝ってくれて何とか乗り切るw
もう暇さえあればアコーディオンを練習していたこの1ヶ月。テンポ制限を考えるとコンペのアコーディオン部門に出場する方がハードルは低かったんじゃないかと思う程。でも、こういうことがあると人間伸びますねw
貴重な機会を下さったダンサーの皆様に感謝。
夜はケーリー。Rise the Dustのレパートリーも2セット覚え、Brendanさんを迎えて一緒に演奏。メンバー全員Rise the Dustの音源を延々聴いていたせいか、それ以外のレパートリーも普段よりテンポが快速。
疾走感のある楽しいケーリーでした。
実は今月からToyota Ceili Bandの田中千尋さんが産休に入るため、来月以降のケーリーは全体のバランスを考えると自分か須貝知世ちゃんが蛇腹に入る方がベターという話がかねてより上がっており、それもあってアコ強化月間が続いているのですが、このケーリーでも数セットアコに持ち替え。アコ大好きなSharleenさんから「Beautiful!! あなたはもっとアコを弾くべきよ」と言われました。こういう一言が結構人生において背中を押してくれる重要な一言になったりするんだよなぁw
楽器のコンペティションの話
さてさて、ここまでほとんどアコの話にしかしてませんが、もう一つコンペティションの話。
ダンスのコンペティションが終わった後は、楽器のコンペティションを観られるだけ全部観ました。特に若手の台頭が素晴らしく、惚れ惚れするような演奏も多々ありました。自分がコンペティションにテープ審査で本戦から出場した時なんか、こんなには弾けなかっただろうなという演奏も何人もいて、頼もしい限りでした。そして、コンペを終えた皆さんの表情は一様に清々しく、見るからにコンペ前より一回り大きく成長した感があって、コンペが健全に、有用に使われているのを見て嬉しくなりました。
一つだけ気になったのは選曲。実はコンペティションはルールブックには書いていないけど、こうする方がベターというような暗黙の了解が結構あります。それを踏襲しないのはルール違反ではないのですが、点数が伸びづらくなるという話です。自分が出場していた時にはレッスンで細かく訊いたり、コンペ終了後に審査員にあれこれ訊いてそこに辿り着いたのですが、今回ここを外している若い奏者の方が結構多かったのです。それがかなり気になって、コンペ終了後にBrendanとSharleenにかなり突っ込んで色々訊いてみたんですね。前に自分が出場後に審査員に訊いた時には、やはり立場的に支障があって、どなたも遠慮がちにこっそりと教えて下さったのですが、面白いことに今回はどちらかというと教師側扱いされている感じだったので、堂々と躊躇なくあれこれ教えてくださって。やはり自分が理解していた暗黙の了解はほぼ間違っていなかったことがわかり、他にも細かいルールの線引きを確認してモヤモヤしていた部分が大分クリアになりました。今後トライされる方で興味がある方がいらっしゃったら個人的にお聞き下さい。情報をシェアします。
おまけ
打ち上げで韓国の方々と交流できたのも嬉しかったです。10月に韓国に行くのが楽しみになりました。