譜面台としてのiPadスタンド

アウトプットって間が空くとなんでこんなに億劫になったり、怖くなったりするんですかね?

すっかり停滞しているblogをちょっとは更新したいと思っているので、最近ホットなネタも入ったので、リハビリがてら書いてみたいと思います。

本日の話題はiPadスタンドです!

 

楽譜をiPadで見る人が増えてきた→譜面台は過剰

ほとんどの楽譜をスキャンして、iPadで見ているという話は以前書きました(以前の記事)。

最近はもはや紙に印刷される機会もすっかり減って、最初からPDFファイルで送られてくるので、楽なことこの上なく、益々iPad一択になっています。

自分だけでなく、周りのミュージシャンの間でも増えてきた印象があります。

以前だったら少数派で20%位の割合しかいなかったのですが、最近は5人中4人がiPadだったりとすっかり割合が逆転した印象があります。

実際に現場でも便利さを実感することが多く、急遽曲順が変更になった時の入れ替えや、昔の楽譜が必要になった時に引っ張り出したり、シェアしたりが圧倒的に楽なのは勿論、暗い現場でも譜面灯要らず!

紙派の人が楽譜をばさーっとひっくり返した時の優越感たるやなかなかのもので、相当悪い顔をしているに違いありません。

さて、今回は譜面台の話。

ほとんどの場合はスタジオに譜面台があり、それを借りるので何の問題も無いのですが、たまに譜面台持参という現場がありまして、これが結構なストレスだったんですね。

この譜面台という代物は、まぁ色んな素材が出てきて少しは軽くなってるんですけれど、軽いものは畳んでも大きかったりして、コンパクトとは言い難いんですね。

最小のものはWittnerという老舗メーカーのもので、昔から変わらないスチール製のものなんですが、未だに一番コンパクト。

なので多少重くなるのに目をつむってこれをずっと使っていました。

スチールなのでiPadやApple Pencilがくっつくのも⚪︎。

ただ、重さは1kgあります。

これが何とかならないかとずーっとiPadスタンドを探していたんですが、なかなか無いんですね。

検索すれば中華製のものがたくさん出てくるんですけれど、強度不足だったり、結局重かったり、嵩張ったり。

3年以上、譜面台を使う公演の度に探していましたが、見つかりませんでした。

(脱線しますが、譜面台に負けず劣らず進化が乏しいと思うのがマイクスタンドです。畳んでもあれ程嵩張って運びづらいものはなかなかありません。しかも重い。カメラの三脚とか、後述するスタンドあたりを参考にコンパクトで携帯しやすいマイクスタンドが発明されたら結構売れると思いますのでメーカーさん頑張って下さい。)

 

ついに発見!コンパクトで軽量なiPadスタンド!

思わぬところで発見することになりました。

O’Jizoのギタリスト、長尾晃司氏に門下生の発表会の伴奏をお願いしたら、何ともコンパクトで良さげなスタンドを持っているじゃありませんか。

すぐに飛びついてチェックして、やはりAmazonで売られている中華製のものとのことで、リンクを送ってもらってポチりました。

それがこちら。

自分が使っているのは157cmの方ですね。

多分頼んだ時点では短い方の選択肢は無かったと思います。

もしかしたら特別背の高い人が立奏とかしない限り短い方でも良いのかもしれません。

重さはなんと500g!

Wittnerの譜面台の半分です!

そして、Wittnerの譜面台よりもずっとコンパクトです。

長尾氏はタブレットスタンドとして売られているものを買ったそうなのですが、今はなぜかスマホスタンドとしてのみ売られています。

これじゃタブレットでは使えないじゃないかと思われるかもしれませんが、問題ありません。

それこそが、自分が長年探し求めていたもう一つのシステムです。

 

挟むのが嫌い!

実はあらゆるタブレットスタンドに共通する、あのタブレットを挟む機構、あれ自体がどうにも好きになれなかったのです。

あの挟むという動作がiPadのボタンを挟み込んで余計な動作を引き起こしたり、逆に邪魔でボタンが押せなかったり、挟む動作自体がやりづらく、iPadを落としかけたり、ケーブルをさせなかったり等々。

あのバネで挟むというのも嫌いで嫌いで、緩いと固定が甘かったり、きついとケースがひん曲がったり不満だらけでした。

これまでHerculesというメーカーのかなりしっかりしたアタッチメントをマイクスタンドにつけてライヴ中に使うということは度々ありました。

Herculesは三方向に開いてレバーで止めるというバネを使わないシステムでしたが、それでもつける作業、調整する作業は結構手間取り煩わしい。

しかもこのホルダー自体がかなりの大きさになるんですよね。

何とかならないものかとずっと思っていました。

 

意地でもマグネット式へ!

それが、iPhoneにMagSafeが出てきた辺りから潮目が変わり始めます。

MagSafeが出てきた時には、これはとんでもなく便利になるぞと、今回のiPadの話と関係なく独り狂喜乱舞していました。

実際にはこれの魅力にすぐに気付いたメーカーはそんなに多くなかったのか、MagSafe対応のアクセサリーが色々出てくるのにはもう少し時間がかかりましたし、今なお充分ではないと個人的には思っています。

そんな中、最近になって漸くMoftとかPitakaとか、iPadにもマグネットでくっつけたり、無接点充電できるようにしていくという方向性のアクセサリーが出てきたのです(考えてみればiPadには元々純正のカバーをつけるためにマグネットが仕込まれていて、もっと早くこういう発想が出てきてもおかしくはなかったのですが、正直ここはまだまだブルーオーシャンだと思います。メーカーさん頑張って下さい)。

そして、前述のスタンドも含めて4つのパーツを使って遂にマグネットでくっつけるスタンドのシステムが完成しました。

そのパーツがこちら。

自由雲台です。カメラの三脚の上につけて、自由に角度を変えられるようにするものです。

これじゃなくても構いませんが、ここのは比較的安くて安定していて作りもしっかりしているので、リピート購入しています。

これは本来iPhoneをMagSafeでカメラ用の三脚に固定するためのホルダーです。

なので、この一連のシステムは当然iPhoneでも使えます。

写真を撮る時などには大変便利です。

iPhoneを一瞬で三脚につけられます。

アルカスイス(カメラを三脚にワンタッチで固定できる規格)なんか目じゃありません。

 

そういう訳で三脚用の穴が中央にあいています。

この種のホルダーは最近になって3〜4種類は出てきていますが、自由度と軽さではこちらがベストです。

ここが一番のボトルネックでした。

どうやってiPadを上記のiPhone用ホルダーにくっつけるか。

これにはこのblogが参考になりました。

このシールをケースに貼り付ける、現状これ一択です。

勿論本体でも構いませんが個人的にはあまりお勧めしません。

iPadが落ちない保証はないからです。

ケースにマグネットが内蔵されたものも試しましたが、うまくいかなかったり、くっつきが弱かったり。

不可思議なことに同じメーカーのMoftのケースでも弱いですw

PitakaのiPad ProやiPad miniの無接点充電のシステムは素晴らしいですし、充電スタンドに強力にくっつきますが、このホルダーにはうまくつきません。

というわけで現状これが最適にして唯一の解になります。

これで軽量、コンパクト、かつ一瞬で簡単にiPadを固定できるスタンドの完成です!

 

家でも活躍!マグネットシステム!

このホルダーとマグネットステッカーの組み合わせは大変優秀で、このような三脚から派生したクランプなどにも簡単にくっつけることができ、マイクスタンドは勿論、自宅でも挟めるものには何でも固定することができます。

  

うちの現在のデスク。

左側にiPad airが、右側にiPad miniがあり、真ん中のMac miniとつながっています。

Side carを使っているのではなく、マウスのカーソルがiPad側にも行くだけの形にしています。

このようにスタンド以外にも工夫次第で色んな応用が効くと思いますが、探す時のコツはiPad側から探さないことです。

このクランプ1つ取っても、iPadというキーワードで探すと、余計なホルダーがついたお粗末なものがもっと高い値段でわんさか出てきます。

そうではなく、カメラ側から探すのです。

最初のスタンドもタブレット側からでなく、スマホ側から探す方が良いものが出てくると思います(スタンドについてはあれ以外の選択肢もあると思います)。

クオリティが要求されるジャンル、出回っている数が多いジャンルから探して応用する、この方がまともなものを安く揃えられるような気がする今日この頃です。

さて、以上、譜面台を廃止してより軽くてコンパクトで簡単にセットできるスタンドに替えることで、iPadでの楽譜使用をより快適にするというスーパーマニアックなお話でしたが、これを普段全く楽譜を使わないミュージシャンが一生懸命考えているところが笑えますね。

むしろ普段楽譜を使わないからこそ、譜面台を持っていくのにより強い抵抗があるのかもしれません。

逆に頻繁に楽譜を使う方は、譜面台を持ち歩くのも当たり前になって思考停止している部分があるのではないでしょうか。

現場で他のミュージシャンに話したら何人も飛びついてきてすぐポチっていたので、これはそこそこ需要があるかなと思ってシェアしてみました。

お試しあれ。