2005年から所属しているグループがあります。
VOICE SPACE。
詩と音楽のコラボレーションのグループです。
東京芸大の卒業生で構成され、作曲、歌、チェロ、ヴァイオリン、サックス、パーカッション、箏、鼓、尺八、ギター、アコーディオンとバラエティに富んだメンバーが揃います。
そこに僕はアイリッシュフルートやホイッスル、声で参加しています。
かれこれ14年目。
自分にとってこんなに長く一緒にやっているグループは他にはありません。
勿論この13年の間には山も谷もありました。
このグループはこの先やっていけるのだろうかと不安に思ったことも何度もありました。
正直に言えば、そもそも僕は詩が嫌いでした。
現代詩はとりわけ嫌いでしたが、このグループの主戦場はその現代詩。
最初は作曲家がつくってきた不思議な曲を、訳がわからないまま、ただ楽譜を見て弾くだけでした。
ところが不思議なことに何度も何度も繰り返し演奏するうちに、その訳のわならない言葉たちが、訳のわからないまま体に入って、気がつけば自分でも口ずさむ程愛着が湧いてくるのです。
今でも詩集を嬉々として読んだりはなかなかしませんが、楽器は勿論、声で作品に参加するのをとても楽しいと感じる自分がいます。
そして、一癖も二癖もあるメンバーが集まって、ああでもないこうでもないと音と言葉を突き合わせて作品をつくることが、今は僕にとってかけがえなく愛おしい瞬間です。
そして、14年目の今年。
VOICE SPACEは3枚目のアルバムの制作に取り組んでいます。
つい先日、三日間缶詰になってレコーディングをしました。
昔とは比べものにならない位、キレのあるいい演奏をする、成長した仲間達。
難曲揃いで苦戦が予想される中、次々と良いテイクが重ねられ、予想を上回るスピードとクオリティで具現化されていきました。
ワクワクするような、痺れるような、涙が出るような瞬間がどれだけあったことか。
これまでたくさんのレコーディングを経験してきましたが、その中でも一際幸せな現場の一つでした。
さて、このVOICE SPACEが3/1よりクラウドファンディングでのご支援の募集を開始しました。
この3rdアルバムをできるだけ良い形で、できるだけ多くの皆様にお届けするためにです。
夏には日本各地でコンサートツアーを、秋には東京でも公演を予定しています。
資金的なご支援を頂きたいのは勿論なのですが、それと同じくらいこのグループの存在を、活動を、面白さを、今まで知る機会の無かった皆様に、知って、見て、聴いて頂きたいと思っています。
現代詩が難解で敬遠したくなるような雰囲気があることは知っています。
僕もそうでしたらから。
でも、このVOICE SPACEの作品を通して今まで知らなかった面白い世界に巡り会える、そんな可能性があることを僕は信じています。
是非一度リンクを開いてVOICE SPACEの世界をちょっと覗いてみて下さい。