目次
1 靴へのこだわり
ものをできるだけ減らしたいと日々思いながら暮らしてはいますが、いくつか例外があります。
例えば、靴と鞄。
この2つは数が少なくはないです。
今日はその靴について書きたいと思います。
1.1 靴と健康
なぜ、靴が特別か。
それはもう言わずもがな、靴は健康に直接影響するからです。
とりわけ自分は足自体にもいくつかの問題を抱えていて、それもあってかなり若い頃から靴には気を遣ってきました。
その問題とは扁平足と巻き爪。
1.2 扁平足
扁平足とは土踏まずが無いこと、あるいは極端に低い事。
必要なアーチが潰れている状態で、必要以上に足が疲れると言われています。
自分の足は足型を取るとほとんど土踏まずが無い位のっぺりと平らです。
まぁ、子供の頃からそうなので、どれくらい疲れるのか比較のしようもないんですけどね(笑)
1.3 巻き爪
そして、もう一つの悩みが巻き爪。
自分は両足の親指が中程度の巻き爪。
昔何度かひょうそうと呼ばれる、爪が食い込んで化膿する事態にまで陥り、凄まじく痛い外科手術を2〜3回経験しています。
未だに巻き爪との戦いは続いていて、今も月一ドイツ発の巻き爪治療器具を取り付けて、少しでも良くなるよう努めています。
1.4 インソール
テニスをやっていることもあり、扁平足対策として特殊なインソールも長く使ってきました。
Superfeetという有名なインソールをあらゆる靴に入れて、アーチが少しでも復活するように努めてもいました。
今でもテニスシューズには入れています。
まぁ、パフォーマンスは上がっているのかもしれませんが、残念ながらアーチ自体が劇的に改善したりということはないようです。
自分は服にはそんなにお金をかけない方ですが、そんな訳で足に良い靴には多分服とアンバランスな位お金をかけているかと思います。
2 靴 大公開!
これが自分が持っている靴、ほとんど全てです。
最大の特徴は、テニスシューズとサンダル、そして、いくつかの例外以外は全部スピングルムーヴというメーカーの靴であること。
2.1 スピングルムーヴ
2.1.1 どんなメーカー?
さて、早速このメーカーをご紹介致しましょう。
初めてこのメーカーを認識したのは何年か前だったと思います。
最初は、アイリッシュ音楽系のコミュニティの中で何人か履いている人がいて、その話で盛り上がっているのを何となく興味も無く聞き流している、そんな感じでした。
印象に残っていたのはカンガルーの革でできていて、軽くて強い、履きやすい靴だということ位。
それがそのうちやけに多いなと徐々に感じるようになりまして。
特に生徒さんの間で流行り始めた時は、生徒さん同士が一緒にお店に行って、連れて行かれた人がほぼ確実にはまって帰ってくるという、なんだか新興宗教みたいな広がり方でした(笑)
そのうちに実店舗が秋葉原と御徒町の間の高架下、2k540 AKI-OKA ARTISANに並ぶオシャレなお店の数々の中にあるという話を聞き、それでもまだ全く買う気も無かったのです。
ところが、ある時御徒町で予定が一つ急に無くなって、ぽっかり時間が空いたんですね。
2k540 AKI-OKA ARTISANには他にも好きなお店がいくつかあったものですから、空いた時間をそこで過ごすべく向かったその矢先に、スピングルムーヴのお店を発見し、そう言えばここにあったと思い出して入ったわけです。
2.1.2 お店の印象と衝撃の試し履き!
お店の雰囲気もとても良いですが、何より店員さんが好印象。
聞いてもいないのにベラベラ話しかけてきたり、買わせようと圧力をかけてきたりもしません。
シンプルに「試し履きだけ是非していって下さい」と言うだけ。
この接客がとても気持ちが良い。
そして、試し履きしたその瞬間に「しまった」と思いました。
これはやられた、どうしようもない、何だこの吸い付くような履き心地の良さは、こんなの抗いようがない。
衝撃的な印象でした。
一度は買わずに帰りましたが、もう無理だろうなと最初から思ってました。
まもなく最初の一足を購入。
しかもいきなり防水の靴でした。
2.1.3 防水の靴
最初の一足はこのメーカーの代表モデル、カンガルー革の丈夫で軽い靴…ではなく、いきなり牛革の防水のビジネス向けのモデル。
ここで豊田の癖が一つ出てきます。
自分は濡れるのがかなり嫌い。
ちょっと異常な程かもしれません。
このキーワードはこの先鞄のことを書く時にも必ず出てきます。
とにかく雨で靴が濡れて、靴の中も靴下も足もぐっしょりというのが大嫌いです。
日本、アイルランド、さらにはアメリカのポートランドと、自分のよく行くところは雨が多い地域ばかり。
それなのに濡れるのが嫌。
雨が降るからサンダルで出かけるという人に時々お目にかかりますが、自分の選択としてはまずあり得ないですね。
とにかく濡らさないことを考えます。
この時も真っ先に防水に飛びつきました。
実際、履き心地の良さも素晴らしいですが、ここの防水は独自の技術で革そのものに防水加工を染み込ませるとかで、かなり優秀です。
これみんな防水のモデルです。
そんなこんなでじわじわこのメーカーにはまっていき、次第に他のメーカーの靴が履けなくなってこうなりました。
2.1.4 広島のメーカー
スピングルムーヴは広島のメーカー。
あるいは両親の出身が広島であることも親しみを覚えた要因だったかもしれません。
そんなに大きなメーカーではなくて、町工場という位の規模です。
実は去年の夏のツアー中、広島から尾道へ移動する途中にわざわざ北の方に遠回りして広島の工場の周りを見学。
”周り”というのが肝で、工場見学は今は団体向けにしかやっていないそうで、泣く泣く工場の周りをぐるっと一周眺めて、近くの併設されたカフェと靴のショップに言って店員さんとお話をしました。
それによると、元々は体育館シューズとかをつくる工場だったそうで、基本的にはその構造を引き継いでいるそうです。
だから、地元の人はスピングルの靴を履くと、「何だ、体育館シューズじゃないか」と思うらしいです。
それが今や取扱店はどんどん増えていますし、街中歩いていてもしょっちゅう見かける程人口に膾炙してきていますからね。
そして、面白いのが履いている人同士が出会うと大抵その話でかなり盛り上がります。
それ位、圧倒的に履き心地が良いです。
そういう訳で、買いたくない人は絶対に試し履きをしないで下さい。
2.1.5 デザイン性
ただし、これもユーザー同士でよく話題になるのですが、デザインについては当たりがあまり多くありません。
何でここにこの余計なライン入れちゃったかなぁとか、何でこの配色にするかなぁとか、自分の好みからすると残念なデザインの方が多いです。
まぁ、そのお陰であまり散在せずに済んでいるのですけれど。
2.2 Vibram ファイブフィンガーズ
テニスシューズやサンダル以外の靴は全部スピングルムーヴで、もうそれ以外は履けない体になった…はずでした(笑)
そこについ最近風穴を開けたのがソールで有名なメーカーVibramが作ったファイブフィンガーズ。
以前から周りで履いている人が何人かいて興味はあったのですが、来年地元の神社関連で岩手の山に登る予定があり、中には地下足袋で登る人もいるという話を聞いて、これはこの靴で登ったら面白いかもと思い、とりあえず平地でトレーニングすべく購入しました。
2.2.1 歩くことが好きではなかった
実は自分は歩くのがあまり好きではなかったんです。
一日中歩くと膝が鈍く痛くなってしまうので。
運動は好きなんですけど、好きでただただ歩くというのは理解できなかった。
ボールを追いかけるのでなければ走るのも好きではないかもしれません。
ところが、この靴を履くとその鈍い膝の痛みは発生しなくなります。
代わりに別のところが痛くなります。
鈍い痛みではなくもっとストレートな痛み。
自分の場合は小指側の付け根周辺が痛くなるんですけど、これどうも歩き方の良くない癖に起因するらしいんです。
自分の足の歩き方の良くない癖が表面化して正しい歩き方に近付ける、そういう靴らしいです。
履いていると地面からの情報量が多くて、歩いてて楽しいですし、普段使わない筋肉がたくさん使われて心地良い疲れとなります。
2.2.2 走ると一気にハードなトレーニングに
ただ、これ走るとなるとまた全く別の感じになります。
底が薄いので踵から着地すると痛くて耐えられないので、フォアフットランニングとかベアフットランニングとか言うらしいですが、自然と足の真ん中から前で着地する走り方になります。
自分もまだ全然詳しくないので興味のある人はネットにいくらでもあるので調べて頂けたらと思いますが、調べて行くとメキシコの秘境に住み、サンダル履きで山の中を160kmとか走ってしまうタマウマラ族の話とかもう色々出てきます。
それはもう衝撃的な話ですが、要は人間の足は甘やかさずにもっと酷使した方が良い、その方が人間本来のバランスや体の使い方を取り戻せる、そんな話がたくさん出てきます。
このファイブフィンガーズはタマウマラ族の履く薄くてぺらんぺらんのサンダルに、もう少しだけ足を守る機能が加えられた靴で、特にソールは薄くて守られてる感がほとんどありません。
中にはこれでフルマラソンを完走したりするようなツワモノもいらっしゃるようですが、自分なんかちょっと走っただけでもうふくらはぎとかバキバキになります。
店員さんに「最初は2〜3kmまでにしておいて下さい、さもないと怪我します」と言われた意味がよくわかりました。
最近はこの靴にはまっていて、隙あらばこの靴を履いています。
こういうペラペラの靴を履いて自分自身の本来の力を引き出そうとする発想のランニングをミニマル・ランニングとも言ったりするらしいですが、自分自身の体がこの先どうなって行くのかとても楽しみです。
3 サンダル
もう一つ重要なのがサンダル。
普段からよくサンダルを履く方では全くないのですが、重要なのは日常生活よりもむしろ旅先。
特に海外旅行では絶対に忘れてはいけないマストアイテム。
特に自分のよく行くアイルランドでは、ゲストハウスや友人の家なんかに泊まったりするとシャワーを浴びた後に足が汚れる環境だったり、また靴を履かなきゃいけない状況があったりで、一体この国の人達はどうしてるんだろう?とか、自分が日本人的に潔癖に近い感覚だから発狂しそうなのか?とか色々考えさせられます。
結局は順応できずにサンダルに打開策を求めるのですが、このサンダルをアイルランドで手に入れるのが本当に難しいのです!
なかなか売ってません。
まぁ暑くならないので需要が無いんでしょうけど、あの寒さであれだけ皆薄着ならばサンダル履く人がもっといてもおかしくないのにと思ったりもします。
3.1 Teva→?
とにかく、自分にとっては重要アイテムなのですが、これまでのところずっとTevaのサンダルを愛用してきました。
学生の頃、テニス部の先輩がサイズを間違えて買ってそれを売りつけられて以来、足に吸い付くような履き心地の良さから、それが壊れて2代目になるまで使い続けています。
めちゃくちゃいいサンダルなのですが、願わくばもう少し小さく、軽く、気軽につっかけて履くだけも可能なサンダル無いかなぁ?っと最近リサーチし始めています。
ビーチでずぶ濡れになるとなかなか乾かないのもTevaの辛いところで、そうすると行き着くところはハイパーメディアクリエーター高城剛さんご愛用のギョサンなのかなぁとか、mont-bellも気になるなぁとかうろうろしてます。
前述のタマウマラ族が履いているワラーチというサンダル、あるいはそれを元にしてつくられたルナ・サンダル辺りも気にはなっていますが、靴下を履いたままでも履けるという条件を加えるとこれらの候補は一掃されてしまいます。
何かこれが良いというのがありましたら教えて下さい。
4 靴を絞り込むことの効用
スピングルムーヴ、ファイブフィンガー、Teva、そして、テニスシューズ。
もう他には何もいらないかなと思って過ごしていますが、最後に靴をがばっと減らしてみて得られた副産物も書いておきたいと思います。
4.1 収納場所が少なくて済む
まぁこれは当たり前ですね。
うちでは玄関の下駄箱に入るまでしか持たないというルールになっています。
4.2 手入れの楽しさ
靴自体の数が限られると大事に使おうという発想が自然と生まれてきます。
靴を一つ一つ丁寧に磨く作業そのものがストレス解消だったり、癒やしの時間だったりする人が多いようですが、それも限られた数でこそ。
多過ぎるとその作業自体が辛くなってきてしまいます。
4.3 靴屋さんの前を素通りする気持ちよさ。
これはかなり面白い発見だったのですが、ほぼスピングルムーヴだけを履くようになってから普通の靴屋さんで売っている靴に全く興味が湧かなくなりました。
なので靴屋さんが現れても清々しく通過できます。
散財の心配も無いですし、店の前を通過する時に何か良いものがあるかもと思うのって実はかなり大きなノイズだと思うんですね。
それが綺麗さっぱり無くなるのは想像もしていなかった心地よさがありました。
以上、豊田のかなり偏った靴事情についてあれこれ書いてみました。
いかがでしたか?
何か面白い情報があればまたお寄せ下さい。