Air Pods Pro

先週は資格試験やらレコーディングオーディションの締め切りやらが月曜日、火曜日と集中してしまい、更新できませんでした。

2週間ぶりの更新です。

 

AirPodsPro

本日はこれです。

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AirPodsPro。

始めに言っておくとオーディオマニアではありません。

普段聴く音楽の音質とか結構無頓着です。

そんな中、このAirPodsProは発売日当日に購入しました。

かなり珍しいです。

というかイヤフォンの類で発売日当日は間違いなく初めてです。

 

それまでアマチュアのProじゃないAirPodsを使う人を電車の中とかでたくさん見てきましたが、あれ全然耳に合わないんですね。

自分耳が大きい、もとい、耳の穴が大きいんです。

だからAirPodsはすぐ外れて落とす恐怖しかありません。

しかもぶかぶかということは機密性も低いですから、低音から聞こえなくなるし、音は漏れるし、良いことは何もありません。

それで他所のメーカーのBluetoothイヤフォンなんかをいくつか試してはいたのですが、「接続が面倒」、「途切れる」この2点でかなりストレスがあり、納得行くものには出会えていませんでした。

中にはカナル式のイヤーチップが本体からすぐ外れてしまうものもあり、イヤフォンを外そうとしたらイヤーチップだけ耳の奥に残ってしまい、指でも届かず、もしかしてこのままイヤーチップと生涯を共にするのか?という恐怖に2〜3度晒されました。

それはさておき、接続周りのことは逆にAirPodsが評判が良かったりしたので、「興味ねぇから」みたいな顔しながら実は横目でちょっと羨んでる自分がいたのです。

 

それが昨年秋AirPodsProが登場。

カナル式になり、3つのサイズのイヤーピースがつく、おまけにノイズキャンセリングまでつくというので、機は熟したとばかりに飛びつきました。

まぁでも発売当日というのはたまたまで、当日になってそう言えば今日発売日だなぁと思って何となくAppleのWebサイト見てみて、今頼むとどれくらいかかるのかなぁ、かかりそうだなぁと思ってチェックしてみたら案の定2週間くらい待たされると。

ところが銀座店に来られるなら今日渡せるよとAppleのサイトが言ってきたんです。

それならばとポチッ。

実際に銀座店に行ってみると店の前に長蛇の列が!

ヤバイ、これに並ぶのかぁ、嫌だなぁ、後ろに用事もあるし時間大丈夫かなぁと思いながらiPhoneで既に決算も済ませた予約情報のページを見てみると、この列には並ばずにお店の中に入って店員に声をかけてくれと。

あれ?と思いながら店の中に入り、店員さんに声をかけると、ここに並んでくれと2〜3人だけ並んでる列に案内されて、ものの3分で製品を渡されてしまいました!

店の外に1時間半以上並んでるらしい人達を横目に「これは情報強者が圧倒的に勝つパターンか?」と優越感に一瞬浸りましたが、「待て待て、この人達はこの並ぶというイベントを楽しんでいるのだ、きっとわかっていて敢えて並んでこの製品を待つ時間をできるだけ引き延ばし、同士と共有して分かち合っているのだ」ということに気付き、優越感を諫めて帰りました(本当かどうか知りません)。

 

標準的な音質?

最初に言ったようにあらゆるイヤフォンを試して音質について能書きを並べられる程数を聴いてません。

なので厳密にはどうなのかわかりません。

一般的には最高の音ではないけれど割と偏りない、バランスの良い標準的な音と評されるのをよく目にしました。

 

自分はそれまで迫力満点、低音ガンガンのものよりは、キレイめ系のものを選んできた傾向があります。

多分クラシック音楽出身だからだと思います。

一般的なダイナミック型ではなく、BA(バランスド・アーマチュア)型のような、中音が豊で高音・低音は抑えめというのを好んで使っていました。

ロックとか全然聞きませんでしたからね。

だから多分根本的に低音の迫力に欠ける偏りがあったんだと思います。

それらに比べるとAirPodsProはそこそこ低音も聞こえます。

ああ、やっぱりこっちが普通なのかなって改めて思いました(笑)

 

音質よりもライフスタイルに訴えかけるイヤフォン

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その音質よりも驚いたのはまず接続のストレスの無さ。

蓋を開けたら勝手に繋がるし、音が途切れるのも滅多にありません。

そして、もう一つというか二つ。

外音取り込みモードとノイズキャンセル。

先にノイズキャンセルの話をすると、ノイズキャンセルの強さ自体は多分BOSEとかSONYとかの方が強力だと思います。

でも、AirPodsProも充分効果的。

とてもナチュラルで、あると有難い瞬間がたくさんあります。

 

そして、何より外の音を取り込むモードがすごい。

普通カナル式って耳にしっかり栓をする形になるので結構圧迫感はあるし、コードノイズも響くし、自分の声が頭の中で響くのはかなり不快で、通話モードとか付いててもストレスフルで現実的ではなかったりするものなんですが、このAirPodsProはどういう魔法を使っているのか、そこを驚く程ナチュラルにクリアしてきます。

圧迫感も無ければ、勿論コードノイズも無いですし、自分の声も相手の声もまるで耳を塞いでないかのように聞こえます。

家族がいるところでこのモードで音楽を聴いていると控えめな音量ならば会話も成立します。

そして、これは何度も確認しましたが、相手には全然漏れ聞こえたりしません。

何なら家族それぞれ別の音楽を聴きながら会話をするのも可能です。

良いか悪いかは別にして。

散歩に行った時なんかは車の音もちゃんと聞こえますし、自然音とBGMが混ざるような感じは開放感があって僕は好きですね。

自然音を遮断するのがあまり好きではないのかもしれません。

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あ、ついでに言うとAirPodsProのイヤーチップはかなりしっかりくっつく構造で、耳の中に取り残されて自分と生涯を共にする恐れは全くありません。

これは今までに体験したどのカナル式のイヤーチップよりもしっかりしています。

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特筆すべきは通話

通話が本当に優秀というのがこのイヤフォンの本当の柱なんじゃないかと思う位です。

電話は勿論、オンラインレッスンやオンラインミーティング全盛のこの時代にこれだけ使い勝手の良いイヤフォンもそうは無いでしょう。

但し、マイクは別のものを立てて入力と出力は別にした方が良いようです。

AirPodsProオンリーだとBluetoothの設定で音質を落とされるのですが、入力だけを別のマイクにすると出力の方も方式が変わって圧倒的に音が良くなります。

外付けマイク無しでも音が悪い訳では全然ありませんがね。

もう一つ、AirPodsProは音源を聴きながら楽器を演奏するのにも向いています。

自分の音がちゃんと聞こえますし、変な圧迫感もありません。

ただし、Zoomなどの双方向のやりとりの場合はリミッターがかかってしまうのか、楽器の音、特にホイッスルの音は途中で変質します。

その点だけ残念。

それでも優秀です。

それまでは自分は常に片耳外してましたから。

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周辺アクセサリーの充実もAirPodsProのメリットですね。

 

普段あまり音楽を聴かなかった

そもそもなんですが、自分は常時音楽を聴いているという訳ではありません。

音楽家なのにと思われるかもしれませんが、音楽家だからかもしれません。

勿論仕事で必要に差し迫られて聴くことはたくさんありますが、そうでない時に常にBGMを流しながら仕事をするようなことが苦手です。

音に意識を持っていかれ過ぎて仕事に集中できなくなるのです。

大きい音が苦手というのもあります。

同居人に気を遣うこともあります。

仕事で音を聴く時以外は静寂や自然音を楽しみたいという気持ちもあると思います。

そして、もう一つ、笑っちゃう話ですが、準備が面倒臭い、これが割と大きいですw

その意味でこのAirPodsProは大変優秀です。

蓋を開ければもつつながっていて、再生機器を切り替えるのも楽。

iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、どれとも相性が良いのは当たり前。

生活に自然に入り込むイヤフォンだと思います。

 

…なんてことを書いていたら、ちょうど昨夜のWWDC 2020で、今秋から提供される新しいOSでは、この機器間の切り替えがさらにスムーズにシームレスになると発表されましたね。

iPhoneで音楽を聴いているところからiPadを取り出してドラマを見始めると繋ぎ直しの作業無しにiPadのドラマの音がAirPodsProに流れるそうです。

そんなこと可能なんだろうかと思う程ですが、可能になるとちょっと他所のメーカーではなかなか太刀打ちできない仕様になるかもしれませんね。

さらにサラウンド再生も可能になるとのことで、楽しみが尽きません。

 

あくまで普段使い

勿論あくまで普段使いであって、レコーディングのモニターにはちゃんと業務用のものを使います。

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ちょっとマニアックな話になりますが、レコーディングの場合は大体SonyのMDR-CD900ST。

日本のレコーディングスタジオ行くとどこへ行っても出てくるやつです。

もうあまりにも業界標準過ぎてこれ一択です。

長時間つけてると耳が痛くなろうが何だろうが避けては通れません。

何せここが基準で色々決められてしまっている訳ですから。

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ただし、自宅でApogeeのHype Micを使って録音するときだけEtimotic ResearchのER4SRを使う時があります。

(これ、リンク貼りはしましたけど、Sound Houseの方が全然安いですよ?)

こちらも定番中の定番ですね。

大きなステージでのイヤモニとしても使う時がありますが、かなり機密性が高いので、演奏中はほぼ片耳のみ。

まぁいずれも音を楽しむというよりはどれだけ正確に解像度高く聞き取れるか、もうそれだけです。

ただ音楽を楽しむためだけだとここまで解像度が高いとかえって疲れちゃうというのもあるかもしれません。

なので普段はAirPodsProです。

 

もう一つ懺悔

イヤフォンネタで一つ懺悔しなければならない話があります。

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実は自分、EarPodsをなめてました。

iPhoneにおまけでついてくるあれです。

まぁ前述のように自分の耳には全く合いませんから、もういくつ捨ててきたかわかりませんw

ところがですね、最近とんでもない話を聞きまして。

実はあのEarPods、iPhoneと組み合わせた場合、収録機材としてかなり優秀だという話です。

勿論、プロが使うようなハイエンドクラスの機材とは比較にはならないですが、セッティングが絶妙らしくて、中途半端な機材に手を出すより余程まとまった良い音で録れるらしいんですね。

 

実際、最近ポッドキャストの遠隔録音をよくするのですが、その際ちょっと特殊な方法を使います。

ダンブルエンダー方式と言うらしいんですが、やりとり自体はネットを通して行い、それ自体もレコーディングします。

ただし、それとは別にそれぞれローカルの音も録音、つまり片方ずつの声をただレコーダーで録り、それを後で送ってもらってミックスするという方法を使います。

そうすることで特有の音の劣化を避けることができる、そういう方法です。

この録音をする時にiPhone + EarPodsは確かに優秀で、音質も良く、ノイズも少ないんですね。

それ以外のスマホとか、それ以外のイヤフォンは結構厳しめになります。

露骨にノイズ乗ったりして後で本当に苦労します。

 

嫁さんは歌のオンラインレッスンでもEarPodsを愛用しており、壊れてしまった際にはわざわざメルカリで安く売られているのを買い直しました。

やりとり自体はMacを使うので3.5mmのイヤフォンジャックのものが必要で、現行のiPhoneに付属するのはLightning端子の仕様だからです。

 

そういう訳で、実は優秀なEarPods。

単に自分の耳に合わなかっただけなのか?という結論になり、今まで小馬鹿にしていたのを大いに反省しています。

 

結局ちょっとディープになってしまったイヤフォンのお話でした。

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