人生何が起こるかわかりませんね。
2007年の来日以来、自分が最も好きで最も尊敬するフルート奏者は常にMichael McGoldrickさん。
マンチェスター出身で数々の人気バンドを渡り歩いてきたスーパープレイヤーです。
作曲家としても素晴らしく、良い曲がたくさん書かれて既にその多くがセッションで一般的になっています。
その彼と夢の共演が突如実現しました。
そもそもは、海外から素晴らしいミュージシャンを招聘する日本のプロモーター、ミュージック・プランとの野崎洋子さんから、コロナ・ウィルスによる緊急事態宣言の最中、「マイクとリモートでコラボしてみたら?連絡してあげるよ」という粋なお誘いを頂いたのがきっかけです。
ですが、Mikeさんは自分のHPもマネージャーもfacebookの個人アカウントも持たない人で、業界でも最も連絡が取りづらい人の一人。
それでも当時アイルランドやその周辺の国では色んな人がリモートでセッションの動画を作って上げるのがもうブームみたいになっていて、Mikeさんも身近な人が挙げているのに乗っかる形でいくつか参加していました。
この流れなら行けるかもと淡い期待を抱いていたのですが、その期待虚しくなかなか連絡も取れませんでした。
しばらくして痺れを切らした僕は、先に彼が過去にBBCのTV番組でも弾いたことがある有名な伝統曲を、彼のアレンジもつけて動画を撮り、それを野崎さんに送って、これで共演したいと伝えてもらいました。
逆の立場で考えた時に、さあでは曲を決めようというフェーズが一番面倒で腰が重くなりそうと思ったからです。
後は撮るだけの状態にしておけば可能性があるかもと。
それでもやはり連絡が取れず、野崎さんも自分も「まぁMikeだから仕方ない」というモードになっていました。
それから2〜3ヶ月はたったでしょうか。
ある朝突然野崎さんからメールが入り、「ごめん、とんでもない大ごとになっちゃった」と。
何と、共演映像がマンチェスターのローカルのFacebook Live番組に既に挙げられていると!w
想像の斜め上を行かれました。
その番組がこちら。
「The Full Irish」
https://t.co/cmBvqzq7EO?amp=1
52:44〜
そういう訳で突然降って湧いたように夢が実現してしまいました。
その後、Mikeさん本人から直接連絡があり、データも送られてきて、シェアして欲しいとのことで、その部分のデータをYoutubeにアップした次第です。
何だか未だに現実感がありません。
フルートの神様、Matt Molloyさんが来日した時ですら普通に話もするし、日本酒も酌み交わす位普通の精神状態を保てたのですが、Mikeさんのライヴをアイルランドで観た後に並んで話しに行った時は緊張して写真撮ってもらうの忘れた位ですからw
それくらい自分の中でアイドル的な存在です。
実際同じメーカーのフルートを使っていて、演奏スタイルの影響も受けている自分の音は当然彼の音と似ている訳で、こういうざっくりなミックスだと自分で聴いていてもどちらの音がわからない瞬間がたくさんあります。
それでも時々これは自分が吹いていないメロディラインというのを自分が一番認識しておりまして、それを聴くとやっぱりこの人は神様だなぁと改めて思います。
もうキレも余裕もグルーヴも全然違う。
自分にとっては軽くレッスンを受けているような情報量があります。
本当に貴重な機会でした。
この夢の共演を取り持って下さった野崎さんにはいくら感謝しても感謝しきれません。
彼女はちょうど今ご自身が日本に呼んだことがある海外のミュージシャンを応援するためにこんな活動をされています。
https://camp-fire.jp/projects/view/303373
とても魅力的なリターンも用意されていますので、是非見てみて下さい。